「推理を当てた当ててないに拘っていたら強くならない」という話

 皆さんは意義のある感想戦をしているでしょうか。

 感想戦とはゲーム後に個人の陣営の良かった点、悪かった点を話し合う機会のことです。

人狼の楽しみ方次第ですが、感想戦は「強くあることを楽しむ」上では必須です。実戦以上に上達の手助けとなります。正しく行っていれば。

 しかし、残念なことに正しく感想戦を行えているプレイヤーはとても少なく「当たってた/間違ってた/騙せた/騙せなかった」といった、結果論ありきの感想戦をしている人がほとんどです。

 確かに推理の部分は人狼において勝敗を分け得るほど重要な要素であり、知り合い同士で楽しむ分にはもちろんいいのですが、上達するという目的のためにはいい手段とは言えません。なぜなら、推理の部分を見直したところで、次の村ではその推理が当てはまるかはわからないからです。わからないどころか当てはまらないことの方が多いでしょう。つまり、推理は直すことができないといえます。

 感想戦は「次から直すことができる部分に注目」することで劇的によくなります。今回は感想戦で注目すべきポイントを4点書き出していきます。

 感想戦に拘らなくとも、直すことができる部分を書き出すので、この記事だけでも意識するポイントが分かると思います。

 

(この記事は狼陣営と村人陣営の2陣営戦、連続ガードありを基本として書いていますが、他のルールでもあまり変わりません)

 

【進行は正しかったか(理解していたか)】

 人狼ゲームにおける「進行」というのは多種多様で、どんな進行にも進行ごとのメリット、デメリットがあります。つまり絶対に正しいという進行は存在しないのです。極論を言うと、初日2-1陣形において占い師一人を真切りで吊ることも狩人を炙らない、占い師に護衛を張り付かせるというメリット、真を吊ったときに負けが確定というデメリットが存在するので、絶対に間違いとは言えません。しかし、メリットがなくデメリットしかない、絶対に間違っている進行は存在します。まずそれをしていないかを見直しましょう。

 次に、その他の進行の比較です。有力なものを2,3つ挙げ、どの進行にどういった意図があるか、を理解しながら比較しましょう。進行の理由を理解していなければ正しい吊り筋を踏めないので無意味です。必ず進行には「理由」「メリット」「デメリット」がついてきます。わからなければ、この3セットを同時に聞くといいです。(それが分からない人が感想戦で進行を提示しているはずがないので)

 

【吊り順と吊りへのプロセス、噛み筋は正しかったか】

 村側にとって吊りは狼を倒す唯一の手段です。(レギュにより例外あり)

推理が合ってたか間違ってたかを度外視して、その吊りに妥当性があったのかを検討しましょう。流れ弾に当たるように処刑が決まる投票、議論は改善すべきといえます。

 村全体として吊り位置把握はできてたか、吊り位置の発言は満足にできていたか、投票位置に村全体の意識の統一はある程度あったか、などが議論の対象になります。推理が結果的に合ってたか、間違えていたかを度外視して、その吊り筋が正しいものだったのかを検討し、間違えている場合は別の案を提示、検討してみましょう。(ちなみに、私は吊り筋は完全に正しくなくても、間違ったものでなければいいと考えています。ここは考え方がわかれるかもしれません)

 狼陣営の「襲撃」は大きな武器の一つです。その襲撃が正しく行われていたかも検討すべきです。基本的に襲撃にはすべて理由があります。手なりで行っている占い真即噛みにも理由があるのです。吊りと同じように、噛みもどのような意図なのか、別の噛み筋はあったか等を検討しましょう。

 

【戦況判断はできていたか】

 それぞれがその時の戦況を把握できていたか?また、把握するための行動をしたか?という話です。戦況判断は行動を大きく左右します。

戦況が有利な時は固く、勝ちを取りこぼさないように

戦況が不利な時は思い切って、ギャンブル的な行動

をします。これは狼側も村側も同様です。

なぜなら「3狼1狂生存勝利も、lw逃げ切り勝利も同じ勝ち」だからです。

 『2日で2w処刑、自分が位置の悪いlwで何もせず3日目の縄を避けたとしても4日目はどうせ処刑される… でも3タテじゃなくてよかった』ってゲームじゃないんです。3日目に処刑されるリスクを取ってもいいから勝利を目指してアクションを起こすべきです。

 この例は戦況がわかりやすいですが、大体の場合はそれよりわかりにくく(特に村側は狼位置、狼数が見えないのでよりわかりにくい)、戦況判断を理解していなければ、そもそも正しい行動はとれないと思っていいです。

 村側が戦況判断をするためには、村全体に縄余裕がどのくらいあるか、村全体で見た白位置の共有、黒位置の共有、盤面の共有をすることが大切です。進行役がやるのがいいですが、進行役がいなかったり、しなかったりするならグレーが行っても全然構いません。むしろ、そういった行動を率先して行っていくべきですね。

 

【時間の使い方は正しかったか】

 人狼において使える時間は有限です。有意義使える時間が多いほどに村は有利に、狼は不利になっていきます。

 13人村の初日の議論時間を8分すると一人当たり37秒。全員が均等に発言していたらとても満足に話せないはずです。

 正しい吊り筋や精査をするためには、その日の吊り位置になる人達の発言時間、占い真偽(護衛のため)に使う時間を目いっぱい使えるようにする必要があります。そのためにも、進行役が進行を素早く提示しましょう。進行役がいないのであれば、グレーの村でもいいのでタイムキーパーの役割をするといいです。

 逆に狼側は無駄なことに議論時間を使わせると一人一人の精査が鈍ります。議論時間を有意義に使わせないのも技の一つです。

 

 

 いかがだったでしょうか。他にも動き的な部分で話す部分はあると思いますが、突き詰めたら上の4つに収まると思います。

 上達を目指す方々は結果論ありきの感想戦ではなく、今回書いた4つの項目に注目して感想戦を楽しんでみてください。

 

【追記】

負けて反省するのは当然。勝っても反省するところはあります。

せっかく反省したところを二度、三度と繰り返さないようにしましょう。