人狼は「議論ゲーム」ではない

 初めまして。ユキダルマという名前で人狼をやっています。

 この記事は、対面人狼を始めて3ヵ月~経ったくらいで、もっと上達したいと感じている「初級者~中級者」へ向けた記事です。といっても、戦術的な部分より心構え的な部分が多いので、始めたばかりでも参考になるのではないのでしょうか。

 また、この記事は狼陣営と村人陣営の2陣営戦、連続ガードありを基本として書いています。しかし、本質的には連続ガードなしのルール、第三陣営ありのルールも変わらないので、ルールはあまり気にせずみていただければと思います。

 

 今回の記事で伝えたいことは

人狼の本質

・投票への意識

人狼陣営の戦略

の3つです。

 

人狼の本質】

 人狼というゲームはどういうゲームでしょうか。話し合いをするゲーム?騙し合いをするゲーム?信じあうゲーム?

 どれも本質的には違います。全て手段であって目的ではありません。人狼は「投票によって最多得票者を決め、追放していくゲーム」です。それによって狼陣営は最後まで狼が生き残ることを目指し、村人陣営は狼陣営をすべて処刑しきることを目指します。

 基本的に、村人陣営が狼陣営に対抗する手段は投票による追放しかありません。どれだけ村人が狼を当てていても吊れなければ無意味です。逆に、狼陣営はこの投票を避けきることができれば勝利に直結します。つまり、投票への意識が最も重要なのです。

 つまり、人狼は票取りゲームであって、議論ゲームでも狼当てゲームでもないのです。議論は票取りへの「手段」に過ぎません。この根本の意識がずれていると、間違えた道(俺は合ってたのに!と騒ぐ人)に進みやすいので気を付けましょう。

 

【投票への意識】

 では、投票への意識というのは具体的には何をすればいいのでしょうか?

 人狼は複数人で集まってするゲームです。自分一人が投票に意識を割いていても、処刑されるのは最多票。つまり周りへの説得、説明が重要となります。ここでようやく「議論」の出番です。議論の仕方は人それぞれですが、自分が吊りたい人とその理由などを周りに「伝わるように」話す、その村での発言力を持つように心がけるなどを私は意識しています。これが一番難しく、このゲームの奥深いところだと思うのですが、自分のやりやすい方法をみつけてくださいね。

 かつ、意識すべきなのは「終盤になるにつれて1票の価値は高まっていく」ということです。13人村で考えると、初日の1票は全体の7.6%ほどしかありませんが、7人盤面の1票は14.2%、最終日の1票はゲームを決めてしまうほどです。序盤は全体へ、中終盤は「動く1票への説得」が重要になってきます。

 

人狼陣営の戦略】

 さて、苦手な人の多い「人狼陣営」 人狼をやり始めて少し経つと『人狼やりたくない…』という風になる人が増えるイメージです。推理が好きなのか、嘘をつくのが苦手なのか、追い詰められる圧迫感が苦手なのか、特に人狼陣営に苦手意識がない私にはわからないのですが、この記事を機に好きにならなくても、上達へのいい機会だ!と思えるようになってもらえると嬉しいです。

 なぜ人狼陣営の戦略を書くのかというと、人狼陣営のやり方を知っていれば村陣営の時に「人狼陣営がやられて嫌なことをする」ことができるからです。人狼陣営の戦略を知れば、村人陣営にも活かせるのです。(実際、人狼陣営が上手くて村陣営が下手という人は見たことありません。)

 

 人狼陣営には二つ、村人陣営に対して優位に立てる部分があります。それは、

・組織票(3wなら3票)を持っていること

・襲撃ができること

です。この二点に加えて先ほど話した「処刑」をどれだけ活かせるかが勝利の鍵となってきます。

 組織票を持っているという強みは先ほどの話を理解していればわかると思います。13人3wであれば初日から全体の23%の票を持っています。村人を吊って襲撃をいれることで票の濃度は高くなっていきます。基本的に狼はこの「票数の暴力」で戦っていくことになります。私は身内切りに対してなにも悪印象を抱きませんが、狼の基本戦略とはそぐわない戦術だと言えるでしょう。ただし、仲間を殺し1票を失う代わりに生きた2票を手に入れる(発言権を得て、自分に投票を合わせてくれる村人を2人得る)のであれば、それに見合うかそれ以上のリターンはあります。

 襲撃に関しても「票」に大きく関わってきます。人狼に投票する確率が高い人の発言権、投票権を奪うことができます(例外:騎士、狩人)。投票権だけでなく発言権も奪えるので、その人が説得して入れてくるはずだった人狼陣営への票もなくすことができます。

 そしてなにより、私が人狼陣営で一番意識しているのは「どのようにして占い師を処理するか」です。占い師が最後まで生き残って人狼陣営が勝つという展開はごく稀です(かつ、村側がミスしている可能性が非常に高いです)。そのごく稀に願うよりは、襲撃か処刑して処理するのを心掛けています。

 基本は襲撃することになるでしょう。先ほど襲撃の部分で話した、人狼に投票する確率が高い人物(占い結果で人狼をみたら人狼に、人間をみたらその人が人狼候補から外れることから消去法で人狼に投票する確率があがる)にあたります。占い師を序盤から処刑できる可能性があるのは3-1陣形の占いローラーから入る時くらいです。

 余談ですが、私は3-1陣形を「人狼不利な陣形」だとは思っていません。占いローラ―から入れば真占いを処刑できる可能性がある、そうでなくても真占いから護衛がぶれやすいからです。それくらい占い師への価値を重くみています。

 逆にここから村人陣営での戦略に結び付けると、真占い師を守りきり、村に真だということを説得できれば、それだけで村はほぼ勝ててしまうということですね。

 また、投票も当然のように重要です。狼からしたら「狼を当てている優秀な村人」も、村全体からしてみたら「狼候補」ということを意識しましょう。本来噛むその優秀な村人を狼3票(人外4票)と村人へ説得した追加の1、2票で処刑することができたらどれほど強力かは言うまでもないですね。最後にさらっと書きましたが、狼の戦略としては一番重要な部分かもしれません。

 

 

どうでしたか。この記事で投票への意識が変わったという人が一人でも増えてくれると嬉しいです。