人狼陣営の戦略
今回は人狼陣営の戦略について書いていきます。
人狼陣営の戦略を知ることは、村人陣営での勝率アップに繋がります。理由は単純で、わかりやすく言うと人外の嫌なことがわかるからですね。
まず、人狼であることのメリット、デメリットを理解してもらい、狼がまずはなにを考えて動くべきか、よく言われる『FW』『SW』『LW』と『狂人』それぞれの役割に分けて解説していきます。
また、この記事は連続ガード有を前提に書いていますが、他のレギュレーションでも応用の利くものは多くあると思います。
【人狼であることのメリット、デメリット】
《メリット》
・組織票を持っている
・襲撃権を持っている
・狼を知っている
《デメリット》
・身体の色が黒い(占い、霊判定)
・狼を知っている
ざっくり分かるとこんな感じになると思います。それぞれで説明していきます。
《メリット》
・組織票を持っている
これは単純です。3w1kのレギュレーションであれば4票の組織票を持っています。前半村陣営を処刑して人外の比率が高くなるほど、組織票の強さは増します。極端な話、9人盤面で3w1k生存なら、村人の票を一つ間違えさせれば人外陣営組織票の4票+間違えた村人の1票で過半数を超えるためそのまま翌日ppです。
この組織票を上手く使えば襲撃だけでなく、処刑でも厄介な相手を処理できます。昼時間は組織票を基本ベースとして考えてみてください。
コツは『堂々と恐れないこと』です。
・襲撃権を持っている
組織票が『昼の強み』なら襲撃権は『夜の強み』です。占い能力や護衛能力、霊能力、真占いからの白判定等を含め、村人陣営の戦力を削ることができます。
また、戦況判断を正確にできれば、襲撃も変わってきます。このままなにも動かなければ負けるような状況ならリスクを取ってでもリターンの大きい襲撃、逆に何も起きなければ勝つような状況ならリスクが最小限になる襲撃を選ぶべきです。
・狼を知っている
狼の方が盤面が見えているため、盤面に対する発言だけで言えば先手を打つことができます。逆に、見えている状況から真実とは真逆のことを言って村全体を間違った方向に誘導することも可能です。
また、人狼陣営は狼を一人でも最終的に残せればいいため、狼仲間を知っているということは戦略も立てやすくなります。
《デメリット》
・身体の色が黒い
占い能力で捕まるのはもちろん、処刑された際に霊結果黒がみえるので動きにくくなります。
単純ですが重要なことで、この要素のせいで村人の時と全く同じように動くとはいきません。(村人の時に一度も処刑されたことがないという人は別ですが)。そもそも、村人と全く同じように動くのは難しいのは多くの方が体感してるのではないのでしょうか。
・狼を知っている
先程メリットで説明した項目ですが、これはデメリットにもなります。
見えている、ということは思考の遅れに繋がります。例えば、Aさんの発言に対して、単純に推理して思ったことを話している村人は考えたことをそのまま発言できますが、答えを知っている人狼は、今の発言は何も見えていないならどういう風に取るんだろう、という思考をしてまとめた上で発言します。たかが2秒〜5秒の差かもしれませんが、対面人狼に置いてこの僅かな差は非常に大きいです。
【狼陣営の第一目標】
役割の話に入る前に、狼を引いた時まずなにを考えるべきでしょうか。
答えはどのようにして占い師を処理するか。
占い師が生存状態で人狼陣営が勝つゲームなんて30回に1回あればいい方ではないでしょうか?村のレベルが上がればその30回は50回、100回になるでしょう。
そんな薄い勝ちを最初から狙うより、占い師を村からいなくすることを考えるべきですね。少なくとも初日の昼時間が終わる頃には狼陣営でどういう処理をするかの組み立てができているのが望ましいです。
【狼の中に役割を持たせる】
狼に役割を持たせるのがいいと言われています。呼び方は正直なところどうでもいいのですが、よく言われるのが、FW(ファーストウルフ)、SW(セカンドウルフ)、LW(ラストウルフ)です。皆さんもどこかで聞いたことがあるのではないでしょうか。
狼が何もせずとも村同士で争いあってそのまま狼勝利になるのであればもちろんそれが一番なのですが、実際には中々そうはいきません。村の総力が高ければ高いほどそのようなことが起きるのは稀でしょう。なので、人狼陣営はねじ曲げて村人陣営を処刑しに行く必要があります。だからと言って、3人総戦力で1人の村人を処刑しに行ってもバレやすいし効率が悪いですよね。しかし、13人3w1kの村で1人外につき1村を道連れにできれば、縄余裕2を超えて村人陣営を処刑できるため勝利です。狼仲間は協力しつつもそれぞれ違う動きで村人を吊るす、そのための役割分担です。『一人一殺』の考え方ですね。
また、この役割分担は最初から決まっているものではなく、昼時間の議論の雰囲気で大体決まってくるものです。明確に「ここからここまでがFW!」みたいな決まりはないです。
《FW(騙り狼)》
占い騙りの際の主な役割
・護衛を自分に入れさせる
・偽黒による縄稼ぎ
・(狩人を探す)
占い騙り狼は狼陣営で一人戦力が低いと思われる人がやると思われがちですが、其の実求められるスキルは非常に高いです。
第一目標は護衛を自分に入れさせること。これさえできれば騎士・狩人の護衛能力はないようなものでどこでも噛めます。
それが無理なら噛みたい対象から護衛を外す。基本は占い師になります。2-1の時、占い騙りの狼が偽確みたいな状態なら実質1-1と同じで占い師に鉄板で護衛が入り続けますが、どっちが本物か迷う状態や霊結果がどうしてもみたい処刑をしたら霊媒師に護衛を入れる狩人も現れますよね。
占い騙りは占い結果も考えて出さなければなりません。黒特攻で村人を処刑しようと考える前に、その黒はなんのための黒打ちなのか考えましょう。基本的に偽黒の種類は二つ
・縄を稼ぐ黒打ち
・信用を取る黒打ち
です。
狼が処刑縄として考えているsgの村人に黒を打って処刑したとしてもそれはグレーにいてもどうせ処刑されたので、縄を稼げていません。sgということはそれなりに怪しまれていたわけですから、この黒打ちは信用を取る黒打ちということになります。
議論で処刑するのは難しい位置にいるが、盤面上狼がありえる村人に黒打ちするのは縄を稼ぐ黒です。跳ね返された場合はその村人を処刑するは難しくなりますが、一人一殺のための勝負手といえます。
今の戦況を理解して、どのアクションが一番強いのかを常に考えつつ色結果を出しましょう。
また、対抗でgj起こしてしまった時は基本的に狩人襲撃→真占い襲撃を通すのが王道の勝ち筋です。それ以外の逆転は中々難しいでしょう。
占いcoしている狼はグレーの狼と違って発言を聴く側に回ることが多いので、グレーを狼よりは余裕があります。頑張っているグレー狼のためにも狩人を探してあげましょう。(これは見つけられなくても仕方がないですが、その努力はすべきです)
グレーにいる際の主な役割
・村人陣営を処刑する
・村の議論リソースを奪う
・(狩人を探す)
狼陣営の特攻隊長。FWが優秀だと後ろの狼が非常にやりやすいです。2人村人を吊って狩人coして狩人を炙れたならもう仕事しては完璧です。
コツは自信を持って自分から盤面を動かしに行くこと。ただただ動かずに吊られてしまってはなにも役割を果たせてませんし、FWとは呼べません。
《SW》
・村陣営を処刑する
・LWが戦いやすいように整地する
狼陣営の中継ぎ役。SWの自力が強いとそのまま2w生存で勝つこともあります。
役割はFWと同じように一人一殺を心がけると共に、LWに届きにくくする状況を作ることです。LWに届きにくくするには身内切り以外にもLWに議論リソースを割かせない、村人とラインを繋ぐ等色々あります。
元々戦況不利の状況でも、SWの頑張りで普通なら処刑できない村人を道連れにして戦況を5分、または有利に持っていくことも可能です。逆に処刑しきれずに自分自身の狼をほぼ確定クラスで見られてしまえば、その村人を今後処刑縄に使うのは絶望的となります。目立ちにくいですが、最も重要な立ち位置といえるでしょう。
《LW》
・村人の思考を読んで自分に吊りが届かないように処刑、襲撃を決める
・最後は頑張る
SWとの組織票で決め切れる時は決め切って勝つべきですが、どうしてもSWと一緒に勝てない時もあります。
狼の見えてる視点のメリットを最大限に利用して議論展開、襲撃を行いましょう。
LWの襲撃はそれ一つで大きく戦況が変わってしまうことも多いので、誰が誰を怪しんでいるのかを正確に読み取り、どういう風に襲撃してどういう風に処刑すれば勝てるかの筋道を正確に考えましょう。発言で白を取りつつそれを考えなくてはならないので、やはり負担は大きいですが、狼の一番楽しい部分でもあります。
また、どれだけ戦況不利になっても諦めないのは重要です。諦めない姿勢は人の心を動かします。1%でも勝ちが残っているなら諦めないのが大事です。
《狂人》
狂人は騙りや潜伏など動きの幅が広く、場合によっては狼一匹の価値より高くなります。狂人の仕事量で戦況が大きく変わることも多いです。
占い騙り
狂人の基本は占い騙りです。この記事で3つ以上新しい気づきがあった方は占いを騙ることをオススメします。
占い騙りは狼に狂人の居場所を伝えることができ、3coになれば狩人が真占いを護衛できる確率も下がり、噛み抜かなくとも占い機能を破壊しやすくなります。
また、身体の色が白なので霊結果を見られた後も真の可能性が残るため、偽黒の価値が狼が占いより高く、代わりに狼の位置を把握していないため、偽黒の目的を占騙り狼よりもしっかりと持つ必要があります。
自信が噛まれて翌日真占いを処刑しても、真占い襲撃とほぼ同じ役割ができています。
目標は狼騙りと同じように護衛を取ること、それができなくても真占いに護衛を入れさせない、真占い処刑に動くことです。
霊騙り
霊騙りは霊ロラをしてくれるのであれば一人一殺は果たせるので、仕事はしていると言えるでしょう。更に占い騙りと同じで、狼に自分の居場所を伝えることができます。また、本来まとめ役となる霊能者を確定させないため、まとめ役を作らせない働きもできます。
しかし、隠されたデメリットとして、護衛が完全に占い師の択となり、占い騙りに大きな負担を与えます。霊ロラをする場合は狩人を炙るのも難しくなります。
また、偽決め打ちされた際は一人一殺すらできず、そのデメリットだけを背負う形となります。
潜伏
潜伏は狼に自分の居場所を伝えられず、狩人の護衛も真からブレにくいので、スタートとしては他の騙りよりマイナススタートです。
しかし、占い騙りや霊騙りよりできることの幅は広いです。
・真占いから白を貰う
・身体の色が白いことを利用して霊、占い結果を気にせず村人、狩人主導して吊る 等
・真占いから護衛を剥がす
ただし、デメリットになる範囲も広いです。
・やむを得ない状況以外で処刑される
・襲撃される
・勝負所の票を合わせるべきタイミングで狼と票を合わせられない
・潜伏狂人確定として村全体に見られ処刑される(村に陣形がバレる) 等
狼、村人をある程度見抜いて、更に議論も誘導する必要があります。たまに本当に何もしない潜伏狂人がいますが、それをされるだけで狼側はかなり厳しくなります(本来騙りに出るはずの戦力を0にしているため)。
基本は票獲得に自信が出てきてから挑戦してみることをおすすめします。
如何でしたか。村陣営が好きという人も、この記事で村陣営の時の考えを深めると共に、せっかく人狼をしているので人狼陣営も好きになってくれるといいなと思います。
ここは違うんじゃないか、これはどうして?というところがあればTwitterにリプライ、DMをいただければ幸いです。
次回は村人陣営の戦略について書きます。
「推理を当てた当ててないに拘っていたら強くならない」という話
皆さんは意義のある感想戦をしているでしょうか。
感想戦とはゲーム後に個人の陣営の良かった点、悪かった点を話し合う機会のことです。
人狼の楽しみ方次第ですが、感想戦は「強くあることを楽しむ」上では必須です。実戦以上に上達の手助けとなります。正しく行っていれば。
しかし、残念なことに正しく感想戦を行えているプレイヤーはとても少なく「当たってた/間違ってた/騙せた/騙せなかった」といった、結果論ありきの感想戦をしている人がほとんどです。
確かに推理の部分は人狼において勝敗を分け得るほど重要な要素であり、知り合い同士で楽しむ分にはもちろんいいのですが、上達するという目的のためにはいい手段とは言えません。なぜなら、推理の部分を見直したところで、次の村ではその推理が当てはまるかはわからないからです。わからないどころか当てはまらないことの方が多いでしょう。つまり、推理は直すことができないといえます。
感想戦は「次から直すことができる部分に注目」することで劇的によくなります。今回は感想戦で注目すべきポイントを4点書き出していきます。
感想戦に拘らなくとも、直すことができる部分を書き出すので、この記事だけでも意識するポイントが分かると思います。
(この記事は狼陣営と村人陣営の2陣営戦、連続ガードありを基本として書いていますが、他のルールでもあまり変わりません)
【進行は正しかったか(理解していたか)】
人狼ゲームにおける「進行」というのは多種多様で、どんな進行にも進行ごとのメリット、デメリットがあります。つまり絶対に正しいという進行は存在しないのです。極論を言うと、初日2-1陣形において占い師一人を真切りで吊ることも狩人を炙らない、占い師に護衛を張り付かせるというメリット、真を吊ったときに負けが確定というデメリットが存在するので、絶対に間違いとは言えません。しかし、メリットがなくデメリットしかない、絶対に間違っている進行は存在します。まずそれをしていないかを見直しましょう。
次に、その他の進行の比較です。有力なものを2,3つ挙げ、どの進行にどういった意図があるか、を理解しながら比較しましょう。進行の理由を理解していなければ正しい吊り筋を踏めないので無意味です。必ず進行には「理由」「メリット」「デメリット」がついてきます。わからなければ、この3セットを同時に聞くといいです。(それが分からない人が感想戦で進行を提示しているはずがないので)
【吊り順と吊りへのプロセス、噛み筋は正しかったか】
村側にとって吊りは狼を倒す唯一の手段です。(レギュにより例外あり)
推理が合ってたか間違ってたかを度外視して、その吊りに妥当性があったのかを検討しましょう。流れ弾に当たるように処刑が決まる投票、議論は改善すべきといえます。
村全体として吊り位置把握はできてたか、吊り位置の発言は満足にできていたか、投票位置に村全体の意識の統一はある程度あったか、などが議論の対象になります。推理が結果的に合ってたか、間違えていたかを度外視して、その吊り筋が正しいものだったのかを検討し、間違えている場合は別の案を提示、検討してみましょう。(ちなみに、私は吊り筋は完全に正しくなくても、間違ったものでなければいいと考えています。ここは考え方がわかれるかもしれません)
狼陣営の「襲撃」は大きな武器の一つです。その襲撃が正しく行われていたかも検討すべきです。基本的に襲撃にはすべて理由があります。手なりで行っている占い真即噛みにも理由があるのです。吊りと同じように、噛みもどのような意図なのか、別の噛み筋はあったか等を検討しましょう。
【戦況判断はできていたか】
それぞれがその時の戦況を把握できていたか?また、把握するための行動をしたか?という話です。戦況判断は行動を大きく左右します。
戦況が有利な時は固く、勝ちを取りこぼさないように
戦況が不利な時は思い切って、ギャンブル的な行動
をします。これは狼側も村側も同様です。
なぜなら「3狼1狂生存勝利も、lw逃げ切り勝利も同じ勝ち」だからです。
『2日で2w処刑、自分が位置の悪いlwで何もせず3日目の縄を避けたとしても4日目はどうせ処刑される… でも3タテじゃなくてよかった』ってゲームじゃないんです。3日目に処刑されるリスクを取ってもいいから勝利を目指してアクションを起こすべきです。
この例は戦況がわかりやすいですが、大体の場合はそれよりわかりにくく(特に村側は狼位置、狼数が見えないのでよりわかりにくい)、戦況判断を理解していなければ、そもそも正しい行動はとれないと思っていいです。
村側が戦況判断をするためには、村全体に縄余裕がどのくらいあるか、村全体で見た白位置の共有、黒位置の共有、盤面の共有をすることが大切です。進行役がやるのがいいですが、進行役がいなかったり、しなかったりするならグレーが行っても全然構いません。むしろ、そういった行動を率先して行っていくべきですね。
【時間の使い方は正しかったか】
人狼において使える時間は有限です。有意義使える時間が多いほどに村は有利に、狼は不利になっていきます。
13人村の初日の議論時間を8分すると一人当たり37秒。全員が均等に発言していたらとても満足に話せないはずです。
正しい吊り筋や精査をするためには、その日の吊り位置になる人達の発言時間、占い真偽(護衛のため)に使う時間を目いっぱい使えるようにする必要があります。そのためにも、進行役が進行を素早く提示しましょう。進行役がいないのであれば、グレーの村でもいいのでタイムキーパーの役割をするといいです。
逆に狼側は無駄なことに議論時間を使わせると一人一人の精査が鈍ります。議論時間を有意義に使わせないのも技の一つです。
いかがだったでしょうか。他にも動き的な部分で話す部分はあると思いますが、突き詰めたら上の4つに収まると思います。
上達を目指す方々は結果論ありきの感想戦ではなく、今回書いた4つの項目に注目して感想戦を楽しんでみてください。
【追記】
負けて反省するのは当然。勝っても反省するところはあります。
せっかく反省したところを二度、三度と繰り返さないようにしましょう。
人狼は「議論ゲーム」ではない
初めまして。ユキダルマという名前で人狼をやっています。
この記事は、対面人狼を始めて3ヵ月~経ったくらいで、もっと上達したいと感じている「初級者~中級者」へ向けた記事です。といっても、戦術的な部分より心構え的な部分が多いので、始めたばかりでも参考になるのではないのでしょうか。
また、この記事は狼陣営と村人陣営の2陣営戦、連続ガードありを基本として書いています。しかし、本質的には連続ガードなしのルール、第三陣営ありのルールも変わらないので、ルールはあまり気にせずみていただければと思います。
今回の記事で伝えたいことは
・人狼の本質
・投票への意識
・人狼陣営の戦略
の3つです。
【人狼の本質】
人狼というゲームはどういうゲームでしょうか。話し合いをするゲーム?騙し合いをするゲーム?信じあうゲーム?
どれも本質的には違います。全て手段であって目的ではありません。人狼は「投票によって最多得票者を決め、追放していくゲーム」です。それによって狼陣営は最後まで狼が生き残ることを目指し、村人陣営は狼陣営をすべて処刑しきることを目指します。
基本的に、村人陣営が狼陣営に対抗する手段は投票による追放しかありません。どれだけ村人が狼を当てていても吊れなければ無意味です。逆に、狼陣営はこの投票を避けきることができれば勝利に直結します。つまり、投票への意識が最も重要なのです。
つまり、人狼は票取りゲームであって、議論ゲームでも狼当てゲームでもないのです。議論は票取りへの「手段」に過ぎません。この根本の意識がずれていると、間違えた道(俺は合ってたのに!と騒ぐ人)に進みやすいので気を付けましょう。
【投票への意識】
では、投票への意識というのは具体的には何をすればいいのでしょうか?
人狼は複数人で集まってするゲームです。自分一人が投票に意識を割いていても、処刑されるのは最多票。つまり周りへの説得、説明が重要となります。ここでようやく「議論」の出番です。議論の仕方は人それぞれですが、自分が吊りたい人とその理由などを周りに「伝わるように」話す、その村での発言力を持つように心がけるなどを私は意識しています。これが一番難しく、このゲームの奥深いところだと思うのですが、自分のやりやすい方法をみつけてくださいね。
かつ、意識すべきなのは「終盤になるにつれて1票の価値は高まっていく」ということです。13人村で考えると、初日の1票は全体の7.6%ほどしかありませんが、7人盤面の1票は14.2%、最終日の1票はゲームを決めてしまうほどです。序盤は全体へ、中終盤は「動く1票への説得」が重要になってきます。
【人狼陣営の戦略】
さて、苦手な人の多い「人狼陣営」 人狼をやり始めて少し経つと『人狼やりたくない…』という風になる人が増えるイメージです。推理が好きなのか、嘘をつくのが苦手なのか、追い詰められる圧迫感が苦手なのか、特に人狼陣営に苦手意識がない私にはわからないのですが、この記事を機に好きにならなくても、上達へのいい機会だ!と思えるようになってもらえると嬉しいです。
なぜ人狼陣営の戦略を書くのかというと、人狼陣営のやり方を知っていれば村陣営の時に「人狼陣営がやられて嫌なことをする」ことができるからです。人狼陣営の戦略を知れば、村人陣営にも活かせるのです。(実際、人狼陣営が上手くて村陣営が下手という人は見たことありません。)
人狼陣営には二つ、村人陣営に対して優位に立てる部分があります。それは、
・組織票(3wなら3票)を持っていること
・襲撃ができること
です。この二点に加えて先ほど話した「処刑」をどれだけ活かせるかが勝利の鍵となってきます。
組織票を持っているという強みは先ほどの話を理解していればわかると思います。13人3wであれば初日から全体の23%の票を持っています。村人を吊って襲撃をいれることで票の濃度は高くなっていきます。基本的に狼はこの「票数の暴力」で戦っていくことになります。私は身内切りに対してなにも悪印象を抱きませんが、狼の基本戦略とはそぐわない戦術だと言えるでしょう。ただし、仲間を殺し1票を失う代わりに生きた2票を手に入れる(発言権を得て、自分に投票を合わせてくれる村人を2人得る)のであれば、それに見合うかそれ以上のリターンはあります。
襲撃に関しても「票」に大きく関わってきます。人狼に投票する確率が高い人の発言権、投票権を奪うことができます(例外:騎士、狩人)。投票権だけでなく発言権も奪えるので、その人が説得して入れてくるはずだった人狼陣営への票もなくすことができます。
そしてなにより、私が人狼陣営で一番意識しているのは「どのようにして占い師を処理するか」です。占い師が最後まで生き残って人狼陣営が勝つという展開はごく稀です(かつ、村側がミスしている可能性が非常に高いです)。そのごく稀に願うよりは、襲撃か処刑して処理するのを心掛けています。
基本は襲撃することになるでしょう。先ほど襲撃の部分で話した、人狼に投票する確率が高い人物(占い結果で人狼をみたら人狼に、人間をみたらその人が人狼候補から外れることから消去法で人狼に投票する確率があがる)にあたります。占い師を序盤から処刑できる可能性があるのは3-1陣形の占いローラーから入る時くらいです。
余談ですが、私は3-1陣形を「人狼不利な陣形」だとは思っていません。占いローラ―から入れば真占いを処刑できる可能性がある、そうでなくても真占いから護衛がぶれやすいからです。それくらい占い師への価値を重くみています。
逆にここから村人陣営での戦略に結び付けると、真占い師を守りきり、村に真だということを説得できれば、それだけで村はほぼ勝ててしまうということですね。
また、投票も当然のように重要です。狼からしたら「狼を当てている優秀な村人」も、村全体からしてみたら「狼候補」ということを意識しましょう。本来噛むその優秀な村人を狼3票(人外4票)と村人へ説得した追加の1、2票で処刑することができたらどれほど強力かは言うまでもないですね。最後にさらっと書きましたが、狼の戦略としては一番重要な部分かもしれません。
どうでしたか。この記事で投票への意識が変わったという人が一人でも増えてくれると嬉しいです。